ボツリヌス症の原因はハチミツだけじゃない?ボツリヌス菌が含まれる食品

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「ハチミツは1歳になるまでは与えてはいけない」 育児をしている親にとっては常識のようなものでもありますが、なかには「知らなかった」、または「その食べ物に入っていることに気付かなかった」という人も少なからずいます。 母子手帳に記載されている項目ではありますが、誰もが隅から隅まで読むわけでもない、検診などで聞く機会がなかったという人もいますので、機会がなければ知ることはできないというのも事実です。 ハチミツを摂取することによって、なぜボツリヌス症になるのか、そもそもボツリヌス症とはどんなものなのか見ていきましょう。

乳児ボツリヌス症ってなに?

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ボツリヌス症は、ボツリヌス菌が作り出す毒素が原因で全身の神経麻痺が起こる中毒症です。ボツリヌス毒素は、神経末端からのアセチルコリンの放出を抑制して、神経から筋肉への伝達が障害されることによって麻痺を起こします。 乳児ボツリヌス症は、生後1年未満の乳児がボツリヌス毒素を生じる可能性のある食品を経口摂取することによって発症します。大人では安全なハチミツがなぜ乳児には危険なのかというと、これは腸内細菌のバランスや数、菌の処理能力の違いなどによるものです。 1986年から2017年2月までには、乳児ボツリヌス症の事例は36件が報告されています。 《乳児ボツリヌス症の症状》 便秘、哺乳力の低下、筋力低下、鳴き声が弱い 初期症状は3日ほどの便秘から始まる

リスクの高い食品は?

乳児ボツリヌス症の原因となる食品はハチミツが代表的です。しかし、症例の中にはハチミツを食べていなかったケースも見られ、他の食品からもボツリヌス症を起こす可能性があることがわかります。ですが、原因となる食品を特定できた事例はほとんどありません。 自家製野菜スープ、缶詰食品、瓶詰め食品など、酸素のない状態の食品も発生の原因となることがあります。北海道や東北地方では自家製の「いずし」が原因となることもありましたが、食べられる機会が減ってきたことによってボツリヌス症の発生数も少なくなってきたようです。

ボツリヌス症にかからないためには?

基本的には1歳になるまでにハチミツを与えなければ問題ありません。ハチミツは優しい甘さで体にも良さそうなイメージがありますが、乳児にとっては死に至ることもある危険な食品です。 死亡事故の一例では、ジュースにハチミツ混ぜて飲んでいたという背景がありました。これは予備知識の不足、警告不足などさまざまな原因があると感じます。大手レシピサイトでは、ハチミツ入りの離乳食レシピが問題となり、運営側が大量に削除したこともあります。 ハチミツそのものは食べなかったとしても、ヨーグルトやお菓子にハチミツが使われていることもあるので慎重に選ばなくてはなりません。 その他レトルト食品に類似している食品や、瓶詰め、缶詰食品を使用するときは、異臭がする場合は絶対に食べさせない、加熱をしっかり行う、正しく保存することで防ぐことができます。ボツリヌス毒素は80℃で30分以上の加熱、100℃であれば数分間の加熱によって死滅させることが可能です。 外食時の料理や飲料は原材料や保存状態を確認することができないこともあるので、乳児にはなるべく食事を持参して食べさせてあげましょう。

まとめ

ハチミツは体に優しいというイメージから認識不足が起こり、このような悲しい事故が起こってしまうことがあります。赤ちゃんにとって危険な食べ物というのは必ずしもハチミツだけではありません。アレルギーや食中毒、残留農薬など、小さい体にはごくわずかな量でも反応が出てしまうこともあります。 育児をする上で正しい知識を身につけることはとても大切ですが、販売者や国も注意喚起表示をするなど、さらに強い警告が必要とされています。ハチミツ入り、ハチミツ使用、といった表示の義務化は、未だに死亡事故が起きてしまう現状から考えても必要な措置だといえるでしょう。

参照リンク

食品衛生の窓
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/micro/boturinu.html
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/rensai/guide26.html 蜂蜜を原因とする乳児ボツリヌス症による死亡事案について
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000161263.pdf 国立感染症研究所 ボツリヌス症とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/7275-botulinum-intro.html

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