リコピンとはどんな成分?効果効能や安全性について。サプリメントも紹介

成分辞典

トマトに含まれるリコピンは赤い色素成分です。トマトのイメージが強いですが、実はスイカの赤もリコピンの色。活性酸素を除去する抗酸化作用が強く、美容に役立つ成分として知られています。

リコピンの概要

リコピンは、トマト100g中に2~10mg含まれています。最近は黄色いトマトや緑色のトマトもありますが、やはり赤いトマトの方が含有量が多いようです。加熱によって体内への吸収率が高くなるので、ジュースやサラダで食べるよりもスープやソースとして摂る方がおすすめです。

リコピンの働き

抗酸化作用

リコピンといえば抗酸化作用ともいえるくらい代表的な働きです。活性酸素は増えすぎるとガン、心臓病、脳卒中を引き起こす原因になります。抗酸化作用によって活性酸素の発生を抑えることができれば、そのような疾患のリスクを減らすことができます。

・カゴメ株式会社

リコピンと生活習慣病に関する研究
http://www.kagome.co.jp/statement/health/tomato-univ/medical/yobou.html
・トマトジュースを毎日2缶飲むと悪玉(LDL)コレステロールが低下した(19日間)
・マウスに放射線を与えて、リコピンを摂取している群と対照群を比較すると、リコピンを摂取しているマウスは組織のダメージが少なかった
・肺気腫モデルのマウスにトマトジュースを飲ませておくとタバコによる肺障害を予防できることがわかった

アンチエイジング

抗酸化作用は細胞の老化を抑制する働きでもあります。そのため、シワやシミといった加齢に伴う肌の悩みの改善に役立ちます。

・カゴメ(2008年)

リコピンのシワ予防、美白効果のメカニズムを解明 ーカゴメ、名古屋市立大学の共同研究ー
http://www.kagome.co.jp/company/news/2008/000461.html
・リコピンはコラーゲンの量を増やす
・リコピンはメラニンの生成を抑制する

善玉コレステロールを増やす

コレステロールというと体に悪いものというイメージがありますが、すべてのコレステロールが悪いものではありません。善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールには血中の悪玉コレステロールを減らす働きがあり、リコピンにもこの効果があることが示唆されています。

・カゴメ(2015年)

リコピンが多く含まれる食品

トマト、スイカ、ピンクグレープフルーツ、あんず、グァバ

リコピンの安全性は?

リコピンは食品に含まれている天然の成分ですので、経口から適切に摂取している場合には安全と考えられています。しかし、最近ではリコピンが配合されたサプリメントも販売されていますので、そういった健康食品を利用するときは過剰摂取をしないように注意しましょう。

妊娠中・授乳中

野菜や果物からリコピンを適量摂取するのであれば安全です。しかし、サプリメントの場合は安全性が証明されていませんので、食品から摂る量以上を摂ることは避けたほうが良いでしょう。

禁忌

作用を強めたり、効き目を悪くする薬はありません。

しかし、β-カロテンと一緒に摂取するとリコピンの吸収を高める場合もあるそうです。また、血液凝固剤や抗血小板薬との併用は挫傷や出血のリスクを高める可能性が示唆されています。

サプリメントの紹介

1日のあたり20mgのリコピンが摂取できます

参照サイト

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail710.html

KAGOME
http://www.kagome.co.jp/tomatojuice/functional-claims/