オルニチンは遊離アミノ酸の一つで、生体内ではL-アルギニンから生成されます。肝臓にはオルニチン回路というものがあり、有害なアンモニアを無毒化して尿素を生成していますが、オルニチンはこの回路のアンモニアと結合する中間体として重要な役割があります。
オルニチンの効果
筋合成促進
疲労回復効果
オルニチンを摂取して肉体運動を負荷し、血中アンモニア量と疲労感を調査した研究では、血中アンモニアの増加抑制、疲労感の軽減、運動パフォーマンス低下抑制が見られたとの結果が得られています。
筋肉合成促進
L-オルニチンとL-アルギニン混合物を摂取し、ウエイトトレーニングと併用して変化を確認した研究した実験では、筋肉量と徐脂肪量が増加したとの報告があります。
二日酔い緩和
アルコールは体内に入ると有害なアセトアルデヒドへと変化します。アセトアルデヒドは肝臓で無害化されますが、肝機能が低下していたりお酒の量が多いと処理が追いつきません。これが二日酔いの症状である頭痛、吐き気などの原因となります。
オルニチンは、有害なアンモニアを無毒化する回路であるオルニチン回路(尿素回路)に欠かせない成分であり、二日酔いの症状緩和にも有効だと考えられています。オルニチンが直接アセトアルデヒドを処理するというわけではありませんが、肝機能を高めることで二日酔い症状も緩和されると解釈できます。
オルニチンが含まれる食品
しじみ、ひらめ、まぐろ、チーズ、えのき
サプリメントの紹介
やずや にんにくしじみ
オルニチンの安全性は?
健常な人においては、1〜7gまでの摂取では安全とされています。
10g以上の摂取では、胃痛、腹痛、下痢を起こすことがあるので気をつけましょう。
妊娠中・授乳中
普通の食品から摂ることは問題ありませんが、サプリメントのように成分が濃縮されている食品の安全性ははっきりと確認されていないので、使用する前に医師や薬剤師へ確認をしてください。
禁忌
脳回転状脈絡膜萎縮症は、病気によって血中のオルニチン濃度が高いので摂取は控えましょう。尿素生成経路に異常があり、高アンモニア血症を発するHHH症候群の人の使用も注意が必要です。
参照リンク
「健康食品」の安全性・有効性情報
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail1265.html
オルニチン
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssmn/50/2/50_185/_pdf
グリコ パワープロダクション オルニチン
http://cp.glico.jp/powerpro/amino-acid/entry18/
キリン 酔いのメカニズム
https://www.kirin.co.jp/csv/arp/risk/mechanism.html
ニュートリー 尿素回路
http://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch3-3/keyword5/