フコイダンは、ワカメや昆布、もずくといった海藻類のヌメリに含まれる多糖類で食物繊維の一種です。
他の多糖類と異なり、硫酸化フコースを多く含んでいることが特徴となっています。
どの海藻類に由来しているのかによって、成分組成や分子量が大きく異なります。
硫酸フコースとフコースで構成される… F-フコイダン
ガラクトースを多く含む… G-フコイダン
フコイダンの品質には優劣の差が大きく、海藻由来のヒ素や不純物を多く含んでいるものもあるので、商品の選択には注意を払う必要があります。
Contents
フコイダンの効果
抗がん作用
フコイダンには、抗酸化作用を持つポリフェノール成分が含まれています。この作用により、酸素ラジカル消去能を発揮し、がん予防にも効果があると期待されています。
コレステロール低下
フコイダンをラットに投与し、血中脂質の変化を調べた研究では、悪玉コレステロールと中性脂肪の低下が確認されています。
あくまで動物実験なので、人に対して同じ結果が得られるとは限りませんので、今後の更なる解明が期待されます。
血圧低下
フコイダンの効果として挙げられることが多いですが、明確なメカニズムは不明です。
抗ウイルス作用
インフルエンザウイルスに関しては、フコイダンはインフルエンザウイルスが宿主細胞に侵入する段階から抑制するということがわかっています。
また、IgA抗体の産生を増やし、ウイルスや病原性微生物の再感染を防ぐ効果もあると考えられています。
さらに、免疫細胞であるNK細胞の活性を高めることでもウイルス感染から身を守り、感染症を予防できるとも考えられており、フコイダンの抗ウイルス作用にはさまざまなルートがあるということが伺えます。
フコイダンを多く含む食品
昆布、ワカメ、もずく、メカブ、ナマコ、ウニの卵
サプリメントの紹介
金秀バイオ 沖縄フコイダン
フコイダンの安全性
フコイダンは特にガンに対しての効果が期待されていますが、実際にはサプリメントなどで摂取する場合の安全性や有効性に関する情報は不足しています。
安易に過剰な期待を寄せず、できれば自然な食品から適度に摂取する方が良いでしょう。
妊娠中・授乳中
サプリメントなどの濃縮された食品から摂取する場合の安全性は不明です。胎児や乳児に影響を与える可能性もあるので摂取は控えた方が良いでしょう。
禁忌
医薬品との相互作用については情報が見当たりませんでした。
フコイダンが食物繊維であるということを考えると、多量に摂取するとお腹がゆるくなったり下痢を引き起こす可能性が考えられます。
フコイダンは抗がん剤の副作用を軽減する⁉︎
フコイダンは、抗がん剤による副作用の症状(吐き気、抜け毛、食欲不振)を軽減するといわれることがあります。
ガンといえばフコイダンとも言われるほどガンに良いといわれる成分ではありますが、副作用軽減効果と同様、誰にでも同じ効果が得られるものではなく、ガンを治す成分というわけではないので過剰な期待は禁物です。
自己流での対応はかえって症状を悪化させてしまうこともあります。ステージによっては命に関わる場合もありますので、治療の進め方は必ず医師と相談して決め、方針に従いましょう。
参照リンク
タカラバイオ株式会社
https://agribio.takara-bio.co.jp/technology/fucoidan/fucoidan06.html
「健康食品」の安全性・有効性情報
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail750.html
ヤクルト中央研究所
https://institute.yakult.co.jp/dictionary/word_1144.php
NPO法人 フコイダン研究所
http://www.fucoidan-life.com