青魚に多く含まれていることで知られるDHAは、ドコサヘキサエン酸と呼ばれ、EPAとともに多様な働きがあるとして期待されている成分です。
この2つの成分は同一のものとして取り扱われることが多いのですが、細かく見ていくとそれぞれ違った働きを持っています。
DHAの効果
認知症予防
学習能力の向上
精神安定
DHAは、EPAに比べると抽出するのが難しい成分で、純度100%のDHAを用いた研究はありません。そのため、実際にはDHAの働きや効果については、「全てこうである」と断言するのは難しい状態です。
学習能力の向上
DHAは、EPAとは違い、血液脳関門を通過して脳に入り込むことができるため、脳にも存在しています。そのなかでも特に多く存在しているのが海馬の部分で、海馬は記憶力や学習能力を司っていることから影響を与えると考えられています。
もともとは、イギリスの研究によって、日本の子供の知能数が高いのは魚食が関係していると発表されたことにより、DHAに注目されるようになったのが始まりです。
しかし、その後は知能指数に関連する情報に関しては否定的に見られることも多くなり、現状では可能性の段階として止めておくのが正解といえるでしょう。
認知症予防
DHAは、アルツハイマー型認知症の改善や予防に効果が期待されています。
学習能力の向上と同様に、これもDHAは脳に多く存在するということが理由となっており、DHAはダメージを受けた脳細胞を修復して、残りの神経細胞の働きをサポートするものと考えられています。
しかし、こちらもこの説を決定づける根拠は乏しく、あまりにも頼りすぎてしまうのは危険かもしれません。
精神安定
DHAがうつ病に対して有効であると示唆されているのは確かですが、こちらも断定することは現時点ではできません。
抗うつ薬と同等の効果が得られるとの見方がされている文献も存在していますが、エビデンスの質は低く、今後さらなる検討が必要です。
DHAが多く含まれている食品
マグロ、さんま、さば、いわしといった青魚
サプリメントの紹介
DHC DHAサプリ
DHAの安全性は?
DHAを適切に摂取する場合は安全ですが、過剰摂取には注意が必要です。有害事象として報告されているものには、げっぷ、吐き気、鼻血、軟便といった症状があります。
DHAをサプリメントから摂取する場合は、EPAと併せて1日2gまでとされていますので、過剰摂取には注意しましょう。1日3g以上摂取すると、血液が固まりにくくなるといった症状が出る場合もあります。
妊娠中・授乳中
魚から一般食品として摂取する場合は安全です。
サプリメントをどうしても使いたいという場合は、妊婦や授乳婦向けのものがありますので、そういったものを利用するようにすると安心です。
禁忌
魚油の摂取によって凝血能が低下する可能性があります。そのため、抗凝血能を持つサプリメントやハーブ、医薬品との併用は控えたほうが良いでしょう。
服薬している、病気の治療中であるという人は医師や薬剤師に相談をしてください。
参照リンク
「健康食品」の安全性・有効性情報
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail32.html
明治大学科学コミュニケーション研究所
http://www.sciencecomlabo.jp/healthy_food/dha.epa
Care Net うつ病にEPAやDHAは有用なのか
https://www.carenet.com/news/general/carenet/41068
ニッスイ サラサラ生活向上委員会
http://sara2.jp
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