スルフォラファンは、体内で解毒酵素誘導する硫黄化合物です。アブラナ科特有の辛味や臭いの元となる硫黄化合物が、咀嚼や切るという調理過程でスルフォラファンに変化します。正確にはスルフォラファン・イソチオシアネートを指します。
Contents
スルフォラファンの効果
これらの効果はスルフォラファン単独の効果であり、ブロッコリーから摂取するスルフォラファンにはどの程度の作用があるのかどうかはまだわかっていない部分が多くあります。
抗がん作用
スルフォラファンには、発がん物質の解毒酵素を活性化させる働きがあります。この解毒酵素を活性化させる働きは、ブロッコリースプラウト(新芽)では、通常のブロッコリーの20〜50倍とされています。
抗酸化作用
動脈硬化や循環器疾患の原因となる脂質の酸化を防いだり、細胞の老化を防いだりします。抗酸化作用はアンチエイジングにも役立つ働きです。
抗ピロリ菌作用
ピロリ菌は胃がんの発生を高めるとされています。ブロッコリーにはピロリ菌の発生や増殖を抑制する効果が期待されています。
自閉症への有用性
スルフォラファンは自閉症スペクトラム障害の症状改善効果があると期待されています。まだ効果は確実なものではありませんが、研究が行われているのは事実です。
自閉症スペクトラム障害を持つ成人男性を対象とした実験では、スルフォラファンを18週間継続して摂取させたところ、異常行動、対人応答性など、10項目中3項目において改善が見られたと報告されています。しかし、改善が見られたのは10項目中3項目と少なく、スルフォラファンの自閉症への有用性は現状では評価できないものといえるでしょう。
スルフォラファンが多く含まれる食品
ブロッコリー、キャベツ、大根、わさび、からし菜
サプリメントの紹介
KAGOME スルフォラファン
スルフォラファンの安全性
普通の食品から摂取する場合は安全です。しかし、サプリメントのような濃縮物から摂取する場合の安全性に関しては不明な部分がおおいので、過剰摂取はやめましょう。
妊娠中・授乳中
信頼できる十分なデータが不足しています。妊娠中、授乳中など体が特別な場合の摂取は控えた方が良いでしょう。
禁忌
スルフォラファンは、シトクロムP450という酵素の活性を阻害する可能性があります。CYPで代謝される医薬品の血中濃度を高める可能性があるので注意しましょう。
参照リンク
「健康食品」の安全性・有効性情報
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail2146lite.html
村上農園を知る
http://www.murakamifarm.com/about/functional/sulforaphane/
「ブロッコリースプラウト」が肥満を抑制
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/026591.php
参考文献
日経ヘルス サプリメント事典 第4版