過敏性腸症候群とは、便通異常、腹痛、腹部膨満感などの腸管機能の異常に基づく症候群です。
消化管に器質的な病変は認めず、精神的ストレスなどの精神的な要素も関わっています。
治療としては、生活指導、食事療法、心理療法、薬物療法を行うことが基本です。
原因は、腸管運動の異常、腸管の知覚過敏、心理的異常の3つが考えられています。
腸管運動の異常による症状として、頻回の下痢、便秘、粘液便などがみられます。
便通異常のタイプから「便秘型」「下痢型」「下痢・便秘交替型」に分類されます。
この病気は心理的要素が深くかかわっていることが多いので、心理的な安定を取り戻すことも重要です。
基本の食事療法は以下の通りです。
<下痢型>
・食物繊維の多い食品、香辛料、冷たい飲み物は腸の動きを活発にしてしまうので控える
・乳糖・果糖は腸内ガスを発生させ下痢を起こす可能性があるので控える
・牛乳など乳製品の摂取を控える
・アルコールは胃酸分泌を起こし腸の働きを活発にするので避ける。
<便秘型>
・水分を十分に摂取する
・食物繊維の量を増やす
・ヨーグルトや乳酸菌飲料から腸内細菌のバランスの改善を図る
2つの型に共通するポイントは、食事の消化が遅れて腸内停留時間が長くなってしまうので脂質の摂取を控えることです。
基本的に下痢型・便秘型に応じた食事療法を行いますが、重症例以外は過度の食事制限を行わないようにします。
暴飲・暴食をやめて規則正しい食生活を送るように心がけましょう。
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