ネフローゼ症候群の食事療法 腎臓の病気その③

栄養管理

ネフローゼ症候群は大量のタンパク尿と、それに起因する低タンパク血症、脂質異常、浮腫がみられる腎疾患です。

成人の診断基準はこのようになります。

① 1日の尿タンパクが3.5g以上を持続する。

② 血清総タンパク量が6.0g/dL以下(アルブミンとして3.0g/dL以下)

③ 血清コレステロールが250mg/dL以上

④ 浮腫

まぶたの浮腫から始まることが多く、やがて全身に広がり拡大していきます。
浮腫に伴う症状としては、頭痛、易疲労感、食欲不振、腹部膨満感、呼吸困難などです。

治療は主に生活指導、食事療法、薬物療法からなります。

1次性の場合は副腎皮質ステロイド薬が使用されることが多く、2次性の場合は原疾患の治療が原則となります。

 

栄養障害の防止、体タンパクの異化亢進を防ぐために標準体重に対して35kcal/kg/日のエネルギー摂取が必要です。
標準体重=身長(m)×身長(m)×22

糸球体基底膜の障害が見られ高度のタンパク尿を生じるためタンパク制限食が推奨されています。
浮腫に対しては食塩制限が必要です。
無題

副腎皮質ステロイド薬を飲むと空腹感が出ることがありますので、エネルギーの過剰摂取にならないように注意しましょう。

また、空腹感を満たすような献立にするなど工夫も必要です。

脂質異常がみられる場合がありますが、直接的な治療をせず、タンパク制限や食塩制限をして尿タンパクを減少させることが優先されます。

食塩を制限することで風味が悪く美味しく感じられなくなるかもしれませんが調味料・香辛料・酸味を上手に利用して工夫をしましょう。

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