脂質異常症の食事療法の基本① どんな病気?診断基準は?

栄養管理

今日のテーマは脂質異常症についてです(^ ^)

食事療法の仕方まで一つの記事で書こうと思ったのですが、とても長く読みにくくなると思うので、今回はまず・・・

 

どんな病気なのか ということと

血液検査の診断基準について お話をしたいと思います。

 

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血液の中には誰でも必ず脂質があります。

コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の4種類の脂質がとけこんでいるんです。

コレステロールや中性脂肪のことは聞いたことありますね?

 

<中性脂肪>

中性脂肪はほとんどがトリグリセリドという脂質です。トリアシルグリセロールとも言われます。

食品中の中性脂肪はほとんどがこのトリグリセリドから構成されています。

人間の体の中ではエネルギーを貯めておく、色々な組織を保護する働きがあります。

この値が高くなると動脈硬化になりやすいですよ、ということになります。

 

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<コレステロール>

コレステロールは食事からも摂取することはありますが、ほとんどが体内で作られます。

食べ物からなら卵や魚卵、イカやエビなどに多いと言われています。いわゆる動物性食品ですね。
人間以外の生き物たちもみんなコレステロールを体内で作っているので当たり前です。

 

悪玉コレステロールや善玉コレステロールって聞いた事あるでしょうか?

少し難しい話になるので聞きたくなければ飛ばしてください。笑

 

コレステロールとタンパク質が結びついたものをリポたんぱくと呼びます。

この結びついているコレステロールの比重によって分類されているのです。

比重の軽い順に、カイロミクロン、VLDL(超低比重リポたんぱく)、LDL(低比重リポたんぱく)、HDL(高比重リポたんぱく)に分けられます。

コレステロールを多く含まれているリポたんぱくはLDLコレステロールとHDLコレステロールです。

 

LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれます。

なんで悪なのか。

細胞内に取り込まれなかった余ったコレステロールを血管内に放置して動脈硬化を引き起こす原因となるのが理由です。

 

ではHDLコレステロールは?ということについてですが、血管内壁にへばりついて動脈硬化を引き起こすコレステロールを引き抜いて、肝臓まで運ぶ働きをしています。

そのためHDLコレステロールはいい奴、つまり「善玉コレステロール」と呼ばれています。

 

どの世界にもヒーローと悪者がいるんです。

 

つまり、LDLコレステロールは少なければよく、HDLコレステロールは多いほど良いということになります。

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脂質異常症は動脈硬化の大きな因子となります。

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日本人の死因の第2位と3位を占めているのは、狭心症や心筋梗塞などを含めた心臓病と、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患です。

これらはどちらも、動脈硬化が原因となって起こる血管の病気です。

死因の第1位はがんですが、心臓病と脳卒中を合わせると総死亡の約30%を占めるので、動脈硬化を防ぐことはとても重要です。

動脈硬化は、高血圧を悪化させたり、腎臓病などの原因となります。
動脈硬化というのは、心臓からからだの各部分へ血液を運ぶ動脈が硬くなることです。

動脈の内側の壁にコレステロールがたまって血管が盛りあがって狭くなり、それとともに血管が硬くなってもろくなります。

そのため、血液が流れにくくなったり、血管に血栓がつまりやすくなってしまいます。

動脈硬化はさまざまな危険因子が重なり合って起こりますが脂質異常症も重大な危険因子なのです。

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では、実際に血液検査でどのくらいの結果がでれば「脂質異常症」と診断されるのでしょう。

脂質異常症には色々なタイプがあり、細かく分かれるので、治療していくには自分がどのタイプなのか把握しておく必要があります。

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<脂質異常症の診断基準>空腹時採血時  

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(日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」2007年版より)

表のどれか一つでも当てはまれば脂質異常症と診断されてしまいます。

脂質異常症は自覚症状はまったくないので気が付かずに手遅れになる場合もあります。

早く見つけて治療することがとっても重要です。

次回は脂質異常症と診断されたらどのような食事療法をしていけば良いのかをテーマに詳しく書いていきたいと思います(^ ^)

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